族車(ぞくしゃ)は、暴走族が使用する車両や、暴走族風の外観に改造したバイク・車を指す俗称です。特定の車種名や法令上の区分ではなく、見た目や文化的な文脈から使われる言葉です。
この記事では、族車の意味と読み方、バイク・車に見られる代表的な外観、暴走族や旧車會との違いを解説します。族車と不正改造車は同じなのか、公道を走る際に何が問題になるのかも公的資料に基づいて整理します。
族車とは?|意味と読み方
族車は辞書的な意味だけでなく、車両の外観と使われる場面をあわせて理解する必要がある言葉です。まずは、何を指すのかを分けて確認します。
読み方は「ぞくしゃ」
「族車」は「ぞくしゃ」と読みます。「族」は暴走族を指し、「車」は四輪車だけでなく、文脈によってバイクも含めて使われます。
暴走族風のバイク・車を指す俗称
一般には、暴走族が使う車両、または暴走族風の外観へ改造した車両を族車と呼びます。警察庁や都道府県警察の資料でも、「暴走族風に改造した旧型の自動二輪車等」のような表現が使われています。
ただし、族車は法律で定められた正式な車両区分ではありません。呼び名と、車両が法令に適合しているかは別の問題です。
族車の特徴|バイクと車の代表的な外観
族車の外観には時代や地域、車種による違いがあります。ここでは「必ず付く装備」ではなく、資料や関連用語で繰り返し見られる代表例として紹介します。
バイクに見られる三段シートやカウル
バイクでは、背もたれが高く伸びる三段シート、前部を覆うカウル、形を変えたハンドルやマフラーなどが族車の意匠として語られます。ただし、すべての族車に同じ部品が付くわけではありません。
シートの形と呼び名は、三段シートとは何かを解説した記事で詳しく確認できます。
車に見られるシャコタンや張り出した外装
TBS NEWS DIG「昭和暴走族盛衰記」は、1980年代の四輪族車の意匠として、車高を低くしたシャコタン、上向きに伸びたマフラー、前方へ張り出した外装などを紹介しています。
これらは当時を象徴する例ですが、年代を超えて一つの型に固定できるものではありません。族車はベース車両と時代によって姿が変わる改造文化として捉えるのが適切です。
族車と暴走族の違い|車両と集団
族車と暴走族は同じ場面で使われますが、一方は車両、もう一方は人や集団を指します。言葉の対象を分けると混同しません。
| 言葉 | 主に指すもの | 区別のポイント |
|---|---|---|
| 族車 | バイク・車 | 暴走族風の外観を持つ車両の俗称 |
| 暴走族 | 人・集団 | 危険・迷惑な走行を集団で行う、または行うおそれがある者 |
| 旧車會 | 人・グループ | 暴走族風に改造した旧型車両で集団走行するグループを指す呼称 |
警察庁「暴走族の取締り」は、暴走族を、道路で著しい交通の危険を生じさせたり、著しく他人に迷惑を及ぼしたりする行為を集団で行う、または行うおそれがある者と説明しています。
つまり、車両の見た目だけで、その運転者の所属や走行行為まで決めつけることはできません。外観を表す呼び名と、実際の道路上の行為を分けて考える必要があります。
族車と旧車會の違い|似た外観でも同義ではない
「族車」と「旧車會」はしばしば一緒に語られますが、前者は車両、後者はグループの呼び名です。また、「旧車會だから合法」と一括りにすることもできません。
大阪府警察「旧車會とは」は、暴走族風に改造した旧型の自動車または原動機付自転車を運転する者のグループと説明しています。同ページでは、大きな騒音を発するマフラーや消音器を外した状態での集団走行について、暴走族と変わらない迷惑性があるとしています。
旧車を大切に楽しむことと、騒音や交通違反を伴う走行は別です。車両の年式やグループ名ではなく、改造内容と走行行為を確認する必要があります。
族車と不正改造車の違い|見た目だけでは決まらない

車やバイクの改造が、すべて禁止されているわけではありません。族車風の外観でも、適法かどうかは部品や寸法、騒音などが保安基準に適合するかで判断されます。
国土交通省の「不正改造の具体例」は、基準不適合マフラーや消音器の取り外し、不適切な灯火の色、車体からはみ出す部品などを挙げています。
特にマフラーの切断・取り外しは、騒音を増やし、周辺の生活環境へ影響を与えるため禁止されています。音を大きくすること自体を族車の魅力として推奨することはできません。
同省の「不正改造を排除する運動」では、違法マフラーなどを対象に街頭検査を行い、違反車両へ整備命令を発令し、従わない場合には車両の使用停止を含む処分を行うと説明しています。
族車の関連用語|三段シート・コール・単車
族車の話では、部品、音、車両そのものを表す言葉が混ざりやすくなります。関連語を分けて読むと、記事や漫画の場面を理解しやすくなります。
これらの語は関連しますが、三段シートが付いたバイクを必ず族車と呼ぶ、単車なら族車である、という関係ではありません。部品名・行為名・車両の呼び名を分けることがポイントです。
族車の意味まとめ
最後に、族車の意味と注意点をまとめます。文化的な呼び名と、公道上のルールを混同しないことが大切です。
- 族車は、暴走族が使用する、または暴走族風に改造したバイク・車を指す俗称
- 読み方は「ぞくしゃ」
- 族車は車両、暴走族と旧車會は人・集団を指す
- バイクと車では代表的な外観が異なり、時代や地域でも違いがある
- 改造車がすべて違法とは限らず、保安基準への適合で判断される
- 基準不適合マフラーや消音器の取り外しなどは不正改造の例
族車は、昭和・平成の暴走族文化と改造車の意匠を知る手がかりになる言葉です。一方で、危険運転・騒音・不正改造は文化紹介とは分けて考える必要があります。
